HOME | Y2-info | Y2-DIARY | Q-NEWS | DISCOGRAPHY・MUSIC | LIVE | ROUTE66 | PROFILE | FAN | SHOP | MAIL | SITE MAP | HELP |
ワイルドラードから 66 を約1時間ほど東へ戻り、俺は "Amarillo"<アマ-リロ>の街を訪ねることにした。そこにはよく撮影でも使われる有名な場所、"Cadillac Ranch"<キャディラック・ランチ>があるからだ。広い大地にキャディラック達が無造作に突き刺さっている。雑誌で何度か見かけたことはあるが、一体どうなっているのだろう?俺の心は期待で膨らんだ。キャディラック・ランチに着いた俺は、とうもろこし畑の彼方にポツンと見える小さな影を見つけた。延々と続く大地に、古いキャディラック達が風に吹かれながら眠っている。元々、名所を作る為に芸術家のスタンリ-という男が考えたらしい。大地に埋まったキャディのその姿は、何処か哀し気な光景にも見えた。俺はかつての相棒キャディに、これまでの旅の報告とこの先も俺を見ていてくれという意味を込めて、ここにメッセージを残すことにした。「さて、どう書こうか?」そういえばキャディは、シカゴを出発する時からクルー達に "Cadzilla"<キャジラ>と呼ばれ、 可愛がられていた。「よし、その名前を書いてやろう!」俺は空に一番近い所へ、スプレーで大きくこんな言葉を送った。
"66 Memory Rest in Peace My Cadzilla. YASUHIRO"「相棒キャディよ、66 の想い出として安らかに眠ってくれ・・・アーメン。」これからもお前を忘れることはないだろう。その為にも俺はゴールヘ辿り着かなくてはならない。
シカゴを旅立って7日目、ようやく距離にして100 miles を越えたことになる。だが、ゴールはまだ遠い。また、西へ行けば行くほど街も少なくなる。はるか先には砂漠と化したデザート地帯も待ち受けている。そう、これからが本当の旅なのかもしれない。人は大人になるに連れ、乗り越える壁も高くなる。その度に人は強くなり、その度に優しくもなるのだろう。そして、俺もこの旅のゴールに辿り着いた時にはまた1つ強くなれているに違いない。夢の道と言われた Route 66 の真実の姿を、この瞳で見つけているに違いない。
時計の針は午後3時を迎えようとしている。時速75milesのスピードで走り続けているシェビーのガソリンもそろそろ少なくなってきた。そう言えば、今日はまだ昼食もとっていない。相棒よ、お互い次の街で休んでいくとしよう。それまでもう少しがんばってくれ!俺はシェビーに言い聞かすようにアクセルを踏み込む。やがて目の前には "Santa Rosa"<サンタ・ロサ>という名のサインが見えた。俺はこの街の "Sun'n Sand Restaurant" という店に車を止める。少しクラシックな雰囲気が漂っている。店のオーナーでもあるジョ-・トルーイロ氏は、停めてあったシェビーと同じ車を持っているらしく、俺に声をかけてきた。しかも、この店は偶然にも俺と同じ'66年生まれだったのだ。そんなことからオーナーは、暖かい持てなしをしてくれた。そして、店を出ようとした俺に店のコップをプレゼントしてくれた。
相棒シェビーのクールダウンを待っていた俺の前に、ハ-レ-を転がして一人の男が現れた。「Hi ! 」固い握手を交わす。どうやら俺に興味を持ったらしい。俺が 66の旅人だと知ると「俺もお前と同じ夢の旅人だ。」と語ってきた。どれくらい話しただろうか?男は名前も言わずに、また風の中へと去っていった。俺はゴールに気をとられ、少しあせりすぎていたのだろう。必ずシェビーを連れてゴールしてみせる。でなければ、夢の旅は終わらない。
幾つものトラブルを乗り込えて駆け抜けてきた傷だらけの戦友シェビーと共に、俺はサンタモニカのゴールを目指して走り出した。フリーウェイを降り、"Santa Monica Blvd."<サンタモニカ・ブルバード>へ入る。この日を何度夢見たことだろうか?様々な想いが俺の中で交差していく。俺はゆっくりとシェビーのハンドルを切り、"Colorado Ave."<コロラド・アベニュー>に入った。夢のゴール、"Santa Monica Pier"<サンタモニカ・ピア>はこの道の先に待っている。胸の奥でその実感がじわじわと込み上げてくる。そしてフロントガラスの向こうには、まぎれもなくサンタモニカの桟橋が見える。全ての夢が真実へと姿を変えてゆく。俺は夢のゴールゲートを両眼でしっかりと見つめながらシェビーのアクセルを踏み込んだ。
俺は遂に夢の道、Route66のゴールをくぐった。そこで見たものは、何処までも青く澄んだ水平線だった。そしてサンタモニカの潮風は、疲れた俺の体を包み込むように優しく吹いていた。俺は相棒シェビーに付けていた落書きのプレートにゴールの証として「MADE IT !」と書き直した。アメリカ最後の夢の道と言われた Route 66の旅はこうして無事、幕をおろした。果てしなく長い道のり、 激走 2,200milesの旅だった。俺は、この夢の旅を生涯忘れることはないだろう。そして、俺と共に夢の道を駆け抜けた相棒シェビーよ!そして、今は亡きキャディよ!共に旅をしてくれたクルー達よ!心からこの言葉を贈りたい。
Thank you ! my family
最後にこの言葉を添えて・・・
Dedicate this drama to the people who love ROUTE 66.
THE END
VIDEO
VHS / 135mini
BLUE STILL in U.S.A.
ROUTE 66 #01
・FCにて販売
VIDEO
VHS / 137mini
be-ALIVE 2001
#01 & #02
・FCにて販売
VIDEO
VHS / 135mini
BLUE STILL in U.S.A.
ROUTE 66 #02
・FCにて販売
BOOK
A4 / 88page
ROUTE 66 Get Kicks on the 2200miles
・FCにて販売
DVD
be-ALIVE 2001
2002.5.22 Release
NIPPON CROWN
CRBP-10007
CD
be-ALIVE
2001.2.21 Release
NIPPON CROWN
CRCP-10009